映像制作ブログ

2026/09/22

テレビで見る「美味しそうな料理」はいつ撮っている?料理インサート撮影の裏側

テレビで見る「美味しそうな料理」はいつ撮っている?料理インサート撮影の裏側


テレビのグルメ番組を見ていると、料理が運ばれてきた瞬間や、

料理を箸で持ち上げる「箸上げ」のカットなど、とても美味しそうな映像が出てきますよね。

 

「こういう料理だけの映像って、いつ撮っているんだろう?」 そう思ったことはありませんか?

 

実は、出演者さんが料理を食べているシーンとは別に、料理そのものをじっくり撮影する時間があります。

 

今回は、普段現場で撮影に立ち会っている私が、

よく使う2つの撮影パターンと**「美味しそう」に見せる裏側の工夫**をご紹介します!

 

料理を撮影する2つのタイミング

 

現場では、撮影の規模や時間に応じて主に2つの方法を使い分けています。

 

出演者さんの撮影が終わったあとに撮影

1つ目は、比較的イメージしやすいパターンです。

まず、出演者さんがお店の方と話したり、料理を食べたりするシーンを撮影します。

その撮影が終わったあとに、料理だけを改めて撮影します。

 

・盛り付けのアップ

・料理の全体が分かるカット

・料理のアップ

・箸で持ち上げる「箸上げ」

 

など、番組の中で使えそうな映像をじっくり撮っていきます。

 出演者さんとのやり取りを撮影しているときは時間が限られているため、

料理だけを撮影できる時間を別に設けることで、より質の高い「美味しそうな映像」を残すことができます。

 

本隊と「インサート班」に分かれて撮影

もう1つは、1日に5件ほどのお店を回るような、ロケ先が多いときによく使う方法です。 

すべてのお店で「出演者さんの撮影料理の撮影」と順番に行っていると、時間が足りなくなってしまいます。

そこで、撮影スタッフを**「本隊」「インサート班」**2つに分けます。

 

ちなみに**「インサート」**とは、番組の本編に差し込むための補足的な映像のこと。

料理番組でいうと、料理のアップや調理している手元、湯気が立つ瞬間などがこれにあたります。

本隊が出演者さんと撮影をしている間に、インサート班が別の場所で料理を撮影します。

スケジュールによっては、本隊より先にお店へ行って撮影する「先回り」や、

後から追いかける「後回り」を組み合わせることも。

 

誰がどこへ行き、何を撮影するのか。

当日のノリではなく、撮影前の入念なスケジュール組みが成功の鍵になります。

 


テレビで見る「美味しそうな料理」はいつ撮っている?料理インサート撮影の裏側02

ここで紹介した2つの方法以外にも、現場の状況に合わせて柔軟に対応することがあります。

 

 

料理の撮影は、ただカメラを向ければ終わりではありません。

 画面越しに「食べたい!」と思ってもらうために、現場ではミリ単位の調整を行っています。

 

湯気のタイミング: 熱々の料理なら、一番きれいに湯気が立つ瞬間を狙う

アングルの工夫: 盛り付けの向きを変えたり、一番おいしそうな断面を見せる

箸上げの角度: どの高さまでは持ち上げるか、光の当たり具合をチェックする

 

「もう少し高さを出してみよう」 「この向きのほうが料理がきれいに見える!」 「湯気がもう少し見えるタイミングで撮ろう」

現場ではそんな会話をしながら、何度もテイクを重ねます。

限られたスケジュールの中で、いかに効率よく最高の一瞬を切り取れるかがプロの腕の見せ所です。

 

「食べたい!」と思ってもらえる映像を目指して

グルメ番組で料理が美味しそうに見えるのは、料理そのものが素晴らしいのはもちろんですが、

その裏側で**「どう見せるか」**を考え抜くスタッフの工夫が詰まっているからでもあります。

私たち制作スタッフにとって、視聴者の方に「美味しそう!」「このお店に行ってみたい!」と思ってもらえることが一番の喜びです。

次にテレビや動画でグルメ番組を見るときは、ぜひ「このカット、いつ撮ったんだろう?」と裏側に注目してみてください。

いつもと少し違った面白さが見えてくるかもしれません!